Blogs

Blog 2025/02/05

よく聞かれる質問①(授業への準備と貢献)

Class of 2026のT.Sです。今回は説明会やコーヒーチャットでよく聞かれる質問「どのように授業準備をしているか、授業中はどのように貢献するか」について、在校生それぞれの考えをまとめたいと思います。

T.S(CO2026)

①授業準備

多くの授業では、事前にスライドやケース資料が事前に配信されています。一通り目を通し、想定される質問やディスカッションを考えています。アメリカのケースを取り扱うことが多いため、必要に応じてChatGPT等も活用して背景知識を整理し、A4一枚程度にまとめています(時間があるときは…)。

中にはR(Studio)やWEKAといったツールを利用する授業もありますので、データを先に見てツールに入れておくと授業中にアタフタしなくて良いです。

②貢献方法

上記の通り準備はしっかりとしている方ですので、ここぞという時に切り込むようにしています。

コア(必修)クラスの場合、60人近いクラスメートと授業を受けることになります。教授次第ですが、基本的には内容がミッチリしている関係で座学形式(定期的に質問を受ける形式)が多く、それほど発言する機会は多くないです。一方で、ケース等で日本に企業を取り扱うこともたまにあるので、その際は背景知識も含めて発言できると吉です。また、各教授はOffice Hourを設けてくれているので、そこに参加して質問をするというのも立派な貢献になります。

エレクティブ(選択)クラスについては、一年生は春学期(1月スタート)から2つ取ることになります。教授や授業形式次第になりますが、私が取っている講義は座学系だったのであまり発言する機会がありません。その辺は他の方に譲りたいと思います。

R.S(CO2026)

①授業準備

座学形式の講義に関しては事前にスライドを一通り読み、躓いた部分に関して調べました。バックグランドの有無によって予習にかける時間に濃淡をつけていました(全科目に全力を捧げるといった選択もありだと思いますが、私は課外活動にも注力したかったので適度にバランスをとりました)。

ケースを課す授業に関してはケースを事前に読むのに加えて、ケースの題材が過去の業務や経験したことと相関性が高い場合は、『自分の実体験ではこうだった』といったことを事前に箇条書きで纏めて、タイミングを見計らって発言をしたり、同級生の発言に被せる形で補足するといったことを実践していました(ケースを取り扱う授業は議論がいろんな方向に展開するので、準備をしても結局発言できなかったといったケースも多々あります・・・)。

②貢献方法

T.Sさん記載の通りコアやカスタムコアの科目に関しては、一部科目(グループワークやケースを中心に授業が展開されるMicroeconomics、日本のオペレーションを頻繁に取り扱うOperational Management)を除き、授業中に貢献するという機会は周囲も含めてあまり多くはなかったです。一方、コアやカスタムコアは定期的に課題が出題、中にはStudy Team(5-6人で構成される勉強グループ)単位で課題を提出することを求められる科目もあったため、自分の理解が進んでいる科目に関しては自分がリードして提出物のたたき台を作ることで周囲をサポートする、といった方法で十分に貢献できます。

エレクティブ科目に関しては私も模索中というのが正直なところです。現在とっているエレクティブ科目がグループでプレゼンをする科目ばかりで、特に1月は就活で忙しい同級生が多かったため、講義前に共有される資料に基づいて追加の情報収集をする、音頭をとってプレゼンの構成を考える、プレゼンの練習の際に気づいたことを指摘してクオリティをあげるといったことを実践しています。

K.S(CO2025)

①授業準備

エレクティブになるとケース問題を扱うクラスが増えてきます。大きく分けて(1)事前に読んだケースをもとに即興で議論する形式、(2)ケースに対する議論課題の回答を数枚のドキュメントに書き上げて事前に提出する形式があります。(1)の場合は私もT.Sさんのように自分なりの準備をしますが、教授によっては想定外の方向に議論が進み、自分の知識をもとにその場でロジックを組み立て議論する即興性が求められることもあります。そうしたクラスの場合、細かい質疑の準備も大事ですが、柔軟な議論に備えて大枠での方向性や自分のスタンスだけを決めて臨むこともありました。

一方で、事前提出型の場合、宿題と同様にチームでの作業分担が鍵を握ります。各自のワークロードやスキルセットなどのチーム構成に依存するため唯一解はありません。そのため、課題の進め方をできるだけ早く決めること、締め切りに向けて段取りをすることが成功の秘訣です。また、チーム課題を課すクラスの多くでは期末に相互レビューがあるため、ここでの頑張りがクラス貢献だけでなく評価にもつながります。

②貢献方法

上記二名のように質問等で自身のバックグラウンドをもとにした意見を共有したり、Study Teamのメンバをフォローすることも重要なことですが、もっと広い意味でクラスに貢献することも可能です。それは例えば、わからないことを共有することです。MBAは勉強をする場であり、教授・講師陣はとても優秀なので、わからないことはどんどん聞くべきです。しかし言うは易く行うは難し。「こんな基礎的な内容をわからないのは自分だけではないか」「言語の問題で理解できていないだけではないか」、もっと言えば「こんなことを聞いて恥ずかしくないか」という不安は、社会人経験を経て入学したからこそ拭いがたいものだと感じました。でも、実際に他の同級生が質問するのを聞いていて「なんだそんなこともわからないのか」と感じることはありません。むしろ自分もモヤモヤしていたことを聞いてくれてありがたいと思うことが数えきれないほどあります。なので、自分がわからないこと棚上げせずに質問することは立派な授業貢献になりますし、こうした姿勢は背伸びせず自分らしくあることを重視するMBA受験、インタビューにもつながるものと考えます。

H.Y(CO2025)

①授業準備

コア科目(必修)については既に1年生の2人(T.S, R.S)がよくカバーしてくれているので、カスタムコア科目(選択必修)とエレクティブ科目(選択)を中心に整理したいと思います。

K.Sも記載の通り、2年生になってエレクティブがメインになるとケースを読み込んで授業に臨むことが多くなります。授業中はケースの内容だけでなく、その内容を踏まえて更に踏み込んだテーマをディスカッションすることになるため、学びを深めるためにもしっかりとした準備が必要となります。わからない専門用語や技術を調べておくのは大前提として、事前にGuide questionsが出されている場合はChatGPTも使って壁打ちをして、自分なりの考えをざっくりまとめます。”ざっくり”としておくのは、授業はライブ的な要素も多く、学生のコメントによって予想外の展開を見せることがあるためです。そのときに瞬発力が出せるようガチガチに詰め込まず余裕をもたせるようにしてます。

②貢献方法

貢献については授業中とグループワークに分けて整理したいと思います。

授業中

私の場合、毎回の授業で平均2-3回は発言しています。むやみやたらに発言するわけではなく、準備の成果も踏まえた上で主に以下の3つの観点で貢献することを意識しています。

1) コール&レスポンスでクラスの雰囲気を暖める

前回の授業の理解度やケースの要旨を確認する目的で、授業の冒頭に教授からコールドコールもしくは挙手を促され発言する場合がこれに当たります。ちゃんと話を聞いて予習をしていれば答えられる簡単な内容なので、その後に続くディスカッションに向けたウォームアップも兼ねて発言します。授業は教授と生徒が一体となって作り上げていくものだと理解しているので、こういった貢献も重要だと思っています。

2) International Student/日本人の観点から意見を共有する

アメリカのビジネススクールなので、アメリカ中心の話題も多いのですが、グローバルに関連するディスカッションのときは意図的にInternational Studentや日本人の観点から発言をする(あるいは求められる)ことがあります。気候変動や政治、経済、金融、地政学リスク、教育、資源・エネルギー等の各国共通の話題を始め、原発政策や少子高齢化社会など日本が世界に先行して直面している話題まで、これまでの授業で様々なディスカッションをしてきました。このような類のディスカッションは答えのない難しい議論になることがほとんどですが、それでも自分たちの貢献がクラス全体の学びを深めると思い、気合を入れて立ち向かいます。

3) Professional Experienceの観点から意見を共有する

日本人は他の学生よりも比較的長い就業経験を得てMBAに来ることが多いので、これまでのキャリアで培った専門性や経験が活きる場面があります。私の場合は米国だけでなく、アフリカ、中東、欧州、豪州、東南アジアで10年以上に渡って新規事業開発に携わった経験をディスカッションの中で還元することを意識しました。授業によっては教授が扱うケースよりも最新の実例を話すことができたので、同級生からは重宝してもらいました。教授もそれで顔をつぶされたという反応をするわけではなく、こちらも自分の実績をひけらかしたいわけではないので、求められてそうだなという局面を見極めながら、必要な知識を共有すること心がけています。

グループワーク

エレクティブになると中間試験や期末試験が筆記のテストではなく、グループでのレポート提出やクラス内でのプレゼンテーションになる場合がほとんどです。MBA前に各国のパートナー企業と仕事をしていたときにも感じていたことですが、特に米国の働き方は専門領域に応じた分業制の価値観が根底にあり、その慣習はMBA生にも顕著だと感じます。なので、全体の方向性を決める議論をリードしたり、プロジェクトマネジメント的な機能を果たすだけでも大きな貢献となります。同級生は就活等で忙しいこともあり、自分の役割に集中して効率的に乗り切りたいと思っている人間も多くいるので、その中でチームメンバーが取りこぼしているタスクを拾いつつ、定められた期限に向けて一定以上のクオリティで成果を出せるようチームを推進させていく役割は重要だと思います。もちろん、自分の所掌範囲もしっかりこなした上での話なので必然的に負荷は高くなってしまうのですが、だからこそ貢献度は高くなります。

Y.K(CO2025)

①授業準備

準備の準備は早めに
学部生の頃のような無理は効かないと自覚して、何事も早めに見通しを立てるようにしています。学期始めには、シラバスを見て(学期終わりまでの各授業の準備物や課題・期限をシラバスに載せてくれる先生が多い)、大きな課題の期限と、自分の他の予定と見比べてしんどそうな時期をつかんでおくようにしています。特に1年生春学期からはフェローシップ(企業との実習)、クラブ活動運営などの授業外活動もありましたので、週単位で自分の課題を早めに済ませたり、企業ともピークをずらすよう早めに話をしました。

他に地味な準備としては、教材の準備を済ませること。教科書、ビジネスケース、記事、動画などの授業ごとに指定される教材があります。教科書とビジネスケースは学期の初めにシラバスで指定されて購入を指示されます。早めに購入して、単純作業しかできないコンディションの時に(やる気が湧かない、眠い、隙間時間)、ダウンロードやファイル整理、自分の学習スタイルに合わせたファイルフォーマットに変換する、などを済ませます。

授業への準備は英語にこだわない
文献を読むのは母国語の方が数倍早い上に、最近はAI翻訳も優秀であるので、最初は和文で読むことが多いです。ChatGPTに文献ファイルを入れて頭から和訳してもらっています。2回目は固有名詞や専門用語に気をつけて英語で読みます。読みながら手書きでメモを入れたいので、OneNoteにpdfファイルを貼って読んでいます。自分なりの整理や考えも入れていきます。

2回目に読みながら、この時に授業で起きることや教授の狙いを考えるようにしています。ビジネスケースを例に取れば、多くは経営者が何らかの難しい経営判断を迫られている場面が描かれています。舞台の背後にある情報(国、業界、経営者の会社、他社、技術、等々、そしてこれらの歴史と現在)が与えられています。全部頭に入れるなんてできないので、その選択科目のテーマ、その日のテーマ、教授の関心を考えて、ふんわり理解で良いところ、しっかり理解するべきところを分けて後者は調べておきます。そして「自分が経営者ならどうするか」を授業で問われますので、判断の選択肢につながる情報整理や論理を整理して、自分のポジションを1つは決めておきます。発言することを想像して英語の表現が思いつかなければそれも簡単にメモします。

自分の個性と紐づけて
日本や自分の経験(化学、製造、海外プロジェクト)に関わるところや、関心があって調べたことは特に優先して発言できるように整理をしています。例えば、グローバルビジネスの授業でブラジルを扱う授業の際には、ブラジル-日本間の歴史を調べました。実際に日本から多くの移民があった歴史に話題が及んだので発言することができました。授業の内容が、自分の国や産業にどう関わりがあるか考えるのは、授業への貢献だけではなく、卒業後にも活きるので実践的で良いと思っています。

②貢献方法
授業中
教授やクラスメートの話を聴けるように、内職はせずにできるだけ顔を上げて話を聴くようにしています。そして授業への貢献である発言は、今でも自分の理想に届かないところですが、思うところを書きます。

(1)授業準備度合いを確認したい先生からの質問に回答する
ビジネスケースの要約を求めたり、記載された事実を問われたりします。答えられて当たり前。たいてい誰かが答えるので、あまり出しゃばらなくてもいいと思っていますが、コールドコールされたり誰も発言しないようならGO。就活が忙しい時期にはクラスメートの多くが予習に手が回らなくなりまして、その時に頑張っていました。

(2)先生の講義をサポートする質問をする
聞き手の立場で講義を進められる先生ばかりではありません。「わからない」と誰かが発言することで、先生は説明を足したり、例を付け加えたりして補強することができます。最初は自分だけわからないのかと思っていましたが、実は自分が分からない時は、どうやら他のクラスメートも分からないようです。逆も然り、授業が分からずもやもやしているところで、他のクラスメートの質問に助けられたことは数知れません。「前のスライドを最初からもう一度説明してくれませんか?」などとぶっこんでいく様は見ていて最初はハラハラしましたが、多くの先生は感謝してくれていました。素早く的を得た質問をするというのは自分は特に苦手で、質問を考えている間に機を逃していますが、向上したいところです。いい質問を素早くするというのは仕事でも価値があると思います。身に着けたいです。

(3)事前資料や講義内容を元に「あなたが決めるならどうする」に回答する
決心する立場になった時にこの質問に答えられること、がどの授業でも共通の狙いだと思います。先生は自分なりの意見や答えを持ちつつも、学生からの意見と理由を引き出したいと思っています。授業で一番で楽しいところで、論理付けが良いものや、考えが深いものは価値が大きいと思います。量より質を重視して、ここで貢献したい思いながら授業の準備もしていますし、授業中も集中しています。

最後に、睡眠は大事です。寝る時間を削ってケースを熟読するより、しっかり寝ましょう!

BLOG CATEGORIES

全記事 Blog