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Blog 2025/06/11

~McCombsのAmbassadorを経験して~

こんにちは!CO2026のRSです。

私はクラブ活動の一環としてMcCombs Ambassador Committee (通称MAC)にて活動しております。どのMBAプログラムにも同様な団体があるかと思いますが、Admission Teamと協働し受験プロセスの一環に携わっております。具体的には、受験生のコーヒーチャット対応、キャンパスツアー時のガイド、Video Assessmentの評価、Interview対応等になります。

今回は1年間MACで活動したことを踏まえて学んだこと・感じたことを記載します。MBA受験の際のお役に立てれば幸いです!

McCombsの入試概要

試験の点数が大きなウェイトを占める日本の大学入試とは違い、アメリカのMBA受験のほとんどは各種試験の他、Essay、Interview等が要求されます。McCombsにおいても概ね同じで、多くの日本人受験生は

  • TOEFL/IELTSのいずれか1つ 
  • GMAT/GRE/EAのいずれか1つ
  • Essay
  • Video Assessment
  • MACメンバーとのOptional Interview

以上の対応が必要です。

TestのWaiverも可能ですが、後述の通りWaiverを受領してもスコアメイクができていればスコアを提出することを強く推奨します。

また、InterviewはスコアとEssayを提出すれば全員実施可能です。McCombsのインタビューは受験生が学校をより知るために設けられているため、Interviewの時間の大半は受験生が事前に準備した質問をMACメンバー(Optional InterviewはInterviewを実施するMACメンバーを受験生が選ぶことができます)にぶつけて、MACメンバーが回答をする形式になります。Optionalと記載あるものの、実施することを強く推奨します。

Admission Teamが見ていること

McCombsのAdmission Teamが特に重要視していることは以下3点です。どれかが欠けているからNGというわけでは必ずしもなく、以下3点を中心に総合判断になります。

  1. 受験生が問題なく卒業ができるか?
    • 大学院ですので受験生が学業に支障なく卒業できるかは、受験生を選抜するうえで重要な要素になります。その際に参照するのが学部時代の成績(GPA)とテストスコアになります。GMAT/GRE/EAには総合点数の他英語力を測る部門と数学力を測る部門があり、両方とも重要ではあるもののどちらか1つを選べと言われた場合Quantsの方が重要になります。アカデミックで利用する英語力はTOEFLやIELTSで一定程度測定可能だから、また、McCombsの授業(特に必修にあたるコア授業)では数学や統計の知識を利用するケースが多いからです(日本人受験生は総じてQuantsの点数が高いと思うので、総合点数を上げるためにVerbalに力を入れる必要があるかと思います)。目安としては、各試験の平均スコアより上が”Good Score”とみなされ、”Good Score”を取得すればこの受験生は学業面では特段問題ないとの判断をされます。
    • Waiverを利用する場合他のWaiver利用者との比較になります。McCombsの学生は米MBAの中でもVeteran(軍隊)出身者の割合が大きく、また、Texas州の政府レベルでもVeteranを優遇する施策が複数ある関係上、同級生やMAC内で会話をしているとWaiver取得はVeteran出身者が多い印象を受けました。Veteranは総じて職歴がクラス平均比長く多様な経験をしているため、Waiver取得者との比較をされる場合には他の部分でVeteran出身の受験生に匹敵する強みが必要となります。また、大学によってGPAの測定方法や高GPAの取得難易度は異なるため、Waiverを利用すると受験生が学業面で支障がないかを判断する客観的材料がなくなってしまいます。この数年International生の受験生の割合が増加している(CO 2027の全受験生のうち過半がInternational生です)中、客観的材料が欠けていると結果として不利に働いてしまう可能性もありますので、Waiver狙いではなくスコアを提出することを推奨します。繰り返しながら、平均より上のスコアを取得できていないからNGというわけではございません。
  2. 受験生が卒業後無事就職することができるか?
    • 学校外に目を向けた場合、受験生を選抜するうえで学校が意識する1つの指標が各社が公表するMBAランキングです。ランキングの算出方法・考慮する要素やその割合は各社によって異なりますが、どのランキングにおいても就職率はランキング算出において考慮される重要な要素です。大半の学生が私費でMBAに通い就活をする中、上記要素を担保することができる受験生に入学してほしいというのが学校側の思いです。過去の職歴や就業中の実績を反映させたレジュメや、米就活でもBehavioral Questionとして質問をされる事項と同様の事項を質問するVideo Assessment(アドミッションプロセス時点で自己分析が確りできており、それをわかりやすくはっきりと伝えることができる能力があるか)を活用することで、受験生が就活を乗り越え大学のランキング向上に貢献できるかどうかを判断しています。
  3. 受験生が学校にフィットするかどうか?
    • 学校として最後に重視するのは受験生が大学にフィットするかどうかです。フィットするかどうか=学校に関心を持っているのか、志望動機が学校の強み等と一致するのか(McCombsが受験生の将来の夢を達成する一助になれるのか)、といったマッチングの側面も重要です。それ以上に重要なのは、この受験生がどのように学校に貢献できるかという側面です。McCombsはCollaborationを重視する文化が根強いため、どれだけ高いスコア、優れた職務経歴、唸るエッセーを書いた受験生であっても、学校(クラスメート)に対してどのように貢献するのかが明確ではない受験生が残念ながら不合格になってしまうケースを何度も見かけました。多くの受験生は単に勉強したり優良企業に就職するためにMBAに来るわけではございません。1アンバサダーとしての個人的見解として、受験生が学校からTakeしたいことだけを考えるのではなく、どのような課外活動に取り組む予定なのか、その課外活動を通してクラスメート(学校)にどのようなポジティブな変化を与えたいのか、皆様の入学前と卒業時の2年間で学校はどのように変わるのか?といったGiveの部分をより熟考いただきたい次第です。なお、Giveする内容に優劣はなく、自らの強みや経験が活用され、他学生が求めるものであればなんでも構わないと私は思っております(大事なのはContributeする強い姿勢がみられること)。
    • また、受験プロセスは現役学生の”仲間探し”といった側面もございます。個々人の関係性に濃淡はあれど、受験生の1個上の代の学年は必然的に受験生の代と1年間学校生活を共にすることになります。学校生活は学生主体で形成されることから、McCombsのAdmissionは学生(学生を代表してMACメンバー)の意見を尊重する傾向にあります。したがって、受験生は現役学生と接点を持ちご自身を知ってもらい、良いネットワークを構築することが非常に重要になってきます。なお、このプロセスは米就活と同様なプロセスです。
    • 上記を実施するために受験生が活用できるリソースはMcCombs日本人学生やMACメンバーとのコーヒーチャット、キャンパスビジット、MACメンバーとのOptional Interviewです。時間は限られているとは思いますが、是非現役学生と接点をもってネットワークの構築、ご自身と学校(学生)とのフィット感を確認いただければと思います。

受験生に向けたアドバイス

以上Admissionが重視していることを記載しましたが、その他事務的なことも含めてアンバサダーをやってみて気づいたことを記載します。

  1. 可能であれば早め(R1)に受験する!
    • 理由は2つあります。1つ目の理由として、当然ですがR1は合格者が1人もいない状態での受験になるので、合格の枠が多いです。これは大学が重視するDiversity(多様なバックグラウンド)の観点で重要で、R1合格者である程度のポートフォリオを作ったうえで以降のラウンドで学生を取っていきます(学生のポートフォリオの観点からR1なら問答無用で合格していたが、R2だからWLにしたケースもあります)。2つ目の理由として、R2以降の出願比R1は奨学金の出処となる資金が多いからです。McCombsではすべてのラウンドを通じて1つの奨学金プールを使います。そのため、R1の受験生の多くが学校として来てほしい人材と判断され、かつ受験生が入学の意思を固めた場合、奨学金のほとんどを使い切ってしまうという可能性もございます。McCombsは私費生・社費生問わず学校側が是非来てほしいという受験生には奨学金を出しますので、準備がある程度進んでいる方は早めのアプライを強く推奨します(出願後のスコアのアップデートも可能です)。
  2. ネットワーキングを軽視しないこと
    • フィット感にて記載した事項と一部重複しますが、とにかくネットワーキングは重要です。業務と並行して受験の準備を進めることはとにかく大変だったと、今でも思い出します。どうしてもスコアメイクやエッセーのブラッシュアップに割く時間が多くなってしまいがちですしそれらも非常に重要ですが、最終的にはアドミッションプロセスを通してこの受験生を1年生として迎え入れて共に学生生活を送りたいか、という人間的な側面が左右します。そのためには、学校(現役学生)としては受験生のことをもっと知りたいですし、受験生にも我々のことをもっと知ってほしいと思っております。日本からわざわざAustinを訪れるのは費用・時間の制約があるかと思いますが、コーヒーチャットはやる気さえあれば世界中どこからでもできます。日本人学生が主催する説明会等も活用しながらネットワークを広げていただき、多角的な視点から学校研究をしていただければと思います。

最後に

以上、アンバサダーとして1年活動したうえで学んだこと・感じたことを記載しました。Admissionと密に協働して次の学年を作るというやりがいと責任は当然ながら、自分が受験時代諸先輩方から受けた恩を後輩受験生に直接還元できる機会が沢山あること、そして自分の行動を恩と感じてくれた受験生が後輩としてMcCombsに入学し、Longhorn Communityをより良い環境にすべく一緒に頑張りたいと言ってくれること対して大変うれしく思います。McCombsの学生は皆協力的でフレンドリーなnice guysが多いので、疑問点等が生じましたら是非McCombsの日本人や現役学生にご照会ください!!

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