Global Connection Thailand
2024 夏の思い出 Global Connection Thailand
Co2025のYKです。2024年5月15日~23日にタイ・バンコクのプログラムに参加してきました。かなり時間が経ってしまいましたが、経験を共有したいと思います。
〇プログラムの概要
Global Connectionは渡航先とともにテーマが設定されています。ASEAN地域への渡航プログラムはほぼ毎年提供されており、今年はエレクトロニクス製造の中心地でもあるバンコクが選定され、Ethical Global Supply Chainをテーマとして開講されました。
現地への渡航までに3~4月に週1回3時間×7回の授業があり、座学とケーススタディを元に理解を深めました。
現地のプログラムは、半分が企業と大学訪問に、残りが異文化学習(観光)と自由時間でした。企業訪問はタイでの生産が大きなシェアを握るハードディスクやメモリの製造拠点を2か所巡った他、プラスチックリサイクル事業、農作物・漁業、旅行業の企業を訪問しました。大学訪問ではThammasat大学MBAプログラムと交流しました。
5/14(火) オースティン→ロサンゼルス→東京→バンコク 深夜着
5/15(水) 現地ホテル集合
5/16(木) ThaiPlastic Recycle Co., Ltd 訪問(リサイクル会社)
Talay Thai Market(農作物・水産物の市場)
5/17(金) Thammasat University Visit(タイのビジネス・人材動向、大学見学)
5/18(土) Wat Pho ほか 市内観光
夜 ムエタイ観戦
5/19(日) 自由時間
5/20(月) Seagate訪問(米国/ハードディスク・メモリ製造)
Agoda訪問(Booking Holdings傘下のオンライン宿泊予約サービス会社)
タイ料理教室 Blue Elephant
5/21(火) Western Digital(米国/ハードディスク・メモリ製造)
Ruins of Ayutthaya Ancient City Tour
5/22(水) Maeklong Railway Market
Damnoen Saduak Floating Market
5/23(木) 現地解散
個人でカンチャナブリ(泰麺鉄道)訪問
5/24(金) 往路と同ルートで帰国
タイ国内の移動は貸し切りバス、参加者は11名。ほとんどの食事もプログラム費用に含まれていました。
〇授業からの学び
グローバスサプライチェーンの負の部分
タイを始めとしたアジア各国は安価な労働力を強みとして、製造拠点の移転を受け入れて発展してきました。一方で、現地国では労働者への法的保護の基準が低く、劣悪な労働環境はSweatshopと呼ばれていました。現在では法整備も是正も進みましたが、中国のウイグル地区での問題が挙げられるなど現在進行形の課題です。経営者がサプライチェーンを構築する上では、経済的な原則と倫理のバランスを取り続ける必要があることを学びました。
〇現地での学び・気づき
製造拠点としてのタイ
ハードディスク工場の訪問では見学のみならず、グローバルサプライチェーンの中での位置づけを教えていただきました。良質な労働力に支えられたコスト競争力だけではなく、シンガポールをはじめASEAN各国と即日で部品を移動できる距離、日本やドバイなどのハブ空港へのアクセスを通じた流通があることや、安定した政治、比較的整ったインフラが、タイを製造ハブの地位にしているとのこと。また、エレクトロニクスの製造は米国・日本企業が進出した後に事業統合した歴史(日本企業は撤退)からか、両者の企業文化を併せ持つ印象を受けました。製造現場の作業だけではなく、マネジメントやエンジニアリングもローカルの人材で行われていることや、大学も生産工学に力を入れていることから、タイの製造拠点としての実力はこれからも強まる一方と感じました。
伝統と発展の共存
バンコクは都会化していますが昔ながらの生活や文化が同居しており、活力に満ちた場所でした。中心地は高層ビルが並び、近代的な都市交通がある一方で、歩道には朝から晩まで屋台が並び、道路は車、トゥクトゥク、バイクが隙間なく渋滞しています。観光名所でもある寺院とは別に街中のところどころに小さな社があり、通りゆく人がお祈りしていくのを見かけました。バンコクから離れれば、煌びやかさは無くなり工業団地や、広大な農園などの素朴な光景が続いていました。
〇終わりに
McCombs MBAの選択科目の中でGlobal ConnectionやSTEPを取れる機会は1,2回、お金もかかりますので、どれにするか悩みました。わたしは地域やテーマで選びましたが、いまもう1つ付け足すなら”先生”も大事な要素になります。Global Connectionは指導教官やTAによる手作りのプログラムであり、幸運にも素晴らしい二人によって練られたプログラムでした。また、現地プログラムでは勉強パートだけでなく、観光もしっかり詰め込まれており、バンコクと周辺の名所を網羅できた他、多彩なタイ料理を庶民向けから高級な所まで楽しむこともできました。テキサスからは遠いためか(片道24時間超!)参加者は少なめでしたが、クラスメートとの濃い交流をしながら珍道中したことはGlobal Connectionらしい良い思い出になりました。