Fellows Program: McCombs×Operations

Class of 2026のR.Sです。私自身もそうでしたが、McCombsのFellows programは公式HP記載の内容を見てもいまいちピンとこず、受験生の皆さんからもよく質問をいただきます。今回はちょうど日本人在校生が2学年にわたって在籍しているOperations Fellowsの中身について、年間スケジュールに基づいて紹介していきたいと思います。
1年生時の流れ(R.S)
【Why Operations Fellows?】
私は金融出身でバックグラウンドはお客様が保有する資産を活用した資金調達や北米でのクレジット投資並びにプロダクト開発になります。キャリアの大半がフロント業務である一方、MBA卒業後の進路選択の一つとして派遣元の経営管理各部にて会社全体の戦略や組織の最適化に貢献したいと考えております。StrategyやManagementも含むOperationの改善は結果として会社が社会に提供する価値を拡大させるのでは?と考えており、それを業界問わず実践形式で学びたいと思ったのがOperations Fellowsに関心を持ったきっかけです。
【Fellows選考過程(入学から12月まで)】
Operations FellowsはMcCombsの多くの他Fellows同様、選抜制(書類選考+2年生とのインタビュー)になります。
具体的には、8月末に2年生のFellowsメンバーによるFellowsの説明会が実施され、その後1週間(9月上旬)はほぼ毎日模擬ケース・実際の企業担当者(私の代はP&Gでした)を招きオペレーションの課題に関するシミュレーション・OBによる講話等のイベントが開催されます(通称Ops Week)。並行して2年生Fellows MemberによるOffice Hour(コーヒーチャット)も実施されます。
上述の通り、私はOperationのバックグランドが全くない関係上、Office HourやOps Week中に開催されるイベントも複数回参加することを通じてFellowsへの理解を深めること、バックグラウンドはないもののやる気はある旨2年生のFellows Memberにアピールをすることに注力しました。その後は書類作成、書類選考を通過した人のみインタビューに呼ばれます。インタビューに呼ばれた人は、Fellowsへの合否にかかわらず10月中旬に開催されるOperations Conference(年2回開催、Operationやサプライチェーンを管轄しているUTの団体SCMC(Supply Chain Management Center)主催のConference)に招待され、ネットワーキングの機会が得られます。私が参加した際はMcKinseyやZebra Technologies等のサプライチェーン関連の担当者が、コロナ期やポストコロナのサプライチェーンの課題等を講演しました。なお、Fellowsの合否発表も同時期に実施され、以降1年生向けオリエンテーションや歓迎会等が随時実施されます。実際の授業(通称 Ops Bootcamp)が始まる春学期(1月)までは、Fellowsを運営するリーダー職(President,Event,Recruiting, Academic,Alumni Network等)を担う学生を決める選挙以外、特段大きな動きはありません。

【春学期以降】
1月からは隔週で事前に与えられたケース課題のプレゼンを実施します。なお、Ops BootcampはFellowsのメンバー限定のElective授業で、単位も算入されます(3単位)。具体的な流れは、予め割り振られたグループでMTGを実施し担当を割り振る→個人ワークでスライドを作る→場合によってはグループ内でプレゼンのドライランを実施→本番といったイメージです。今年はNike、McKinsey、Dell、Shell等で実際にサプライチェーンを担っている担当者がケース課題を作成、発表時に来訪いただきプレゼンのFBをいただきました。特にMcKinseyが作成したケース課題(某企業の特定の事業をスピンアウトさせるかどうか、過去の同業他社のスピンアウト事例を踏まえた最適な戦略並びにその戦略のリスクを提示)は、自分が派遣元に戻った際に従事したい分野と重複しており、実務担当者からリアルな戦略やそれを遂行する難しさを伺うことができました。
オペレーションのバックグラウンドが全くない私は、特に企業独自が工夫しているサプライチェーンを理解することに時間を要しました。発表前の週末はスクリプトを作り練習をしています。そのおかげでバックグラウンドがない物事をできるだけシンプルに英語でアメリカ人に対するプレゼン力(度胸?)はついたと思います。一方で実践形式の授業の関係上座学は基本ないので、サプライチェーンに関してより体系的・専門的に学びたいという方は、Fellowsと並行して別の授業を履修することを推奨します。また、ケース課題の題材の大半はサプライチェーン(物流)関連のため、もう少し題材がバラエティに富んでいた方が個人的にはより充実した授業だな、というのが正直な気持ちです。
学期中にはFellows内の授業に加えて、Company Visit(企業訪問)や10月に実施されるConferenceと同様なConferenceが実施されます。私の代はTexasに住む人で知らない人はいないH-E-B(大手スーパー)に訪問します。
2年生(Class of 2025 K.S)
【秋学期】
Electiveクラスとして、Operations Practicumというセメスター単位での企業コンサルプロジェクトを実施します。私の代ではDell, HEB, Zebra Technologies, Serverfarmという4つのスポンサー企業が参加し、学生側は5人1グループでそれぞれの企業課題にアプローチします。私はZebra Technologiesというコンピュータ製品の製造販売企業を担当し、実際の顧客注文と工場の製造キャパシティをもとにして、どのような製造計画を立てればよいかという課題解決を実施しました。企業側担当者と定期的にオンラインミーティングを実施し、こちらのソリューション提案を説明、一つ課題が解決されれば別の課題にチャレンジするという形でインタラクティブにプロジェクトは進みました。このプロジェクトを通じて、これまでFellowsを共にしてきた仲間と、MBAで学んだOperationの理論やシミュレーションツールを活用することができたため、一つの集大成としてFellows Programを終えることができました。
2年生の春学期はFellowsのClassはなく、上述のConference、Company Visit、Social Eventに参加します。
以上が簡単ではありますが、Operation Fellows Programの2年間の概要です。冒頭にも示した通り、公式サイトの記載ではなかなかわかりにくいFellows Programの実態について、少しでもイメージができるようになれば幸いです。