【番外編】バプテスト教会の洗礼・礼拝

1年生のTSです(もうSpring Semesterは終わっているけども)。同コホートのクラスメートを(個人的)Austin NO.1のRamen屋であるJinyaへ連れていく日が日曜だったからか、午前中の礼拝に誘われ(2年生の方が一人洗礼式に出るのをサポートするため)、キリスト教徒ではないですがせっかくの機会なので思い切って凸してみました。
今回の会場は普通の高校を日曜だけ借りてやっているようで、必ずしも物理的な教会・聖堂を持って活動しているわけではないのも興味深いです(友人曰く、自前で設備を持つほど潤沢に資金がある教会はそれほど多くないんだとか)。

米国バプテスト教会は、プロテスタントの主要な教派の一つで、特にアメリカ合衆国において信徒数が多く影響力のある存在です。17世紀初頭にイギリスで始まり、信教の自由を求めて北米大陸に渡った人々によって広められました。バプテスト教会の主な特徴はいくつかありますが、特に以下の点が挙げられます。
- 聖書主義: 聖書を信仰と生活の唯一の規範とします。
- 信仰者のバプテスマ(洗礼): 幼児洗礼は行わず、自らの意思で信仰を告白した者だけが洗礼を受けます。
- 浸礼(しんれい): 洗礼は原則として、全身を水の中に浸す形で行われます。これは、キリストと共に罪に死に、新しく生まれ変わることを象徴していると考えられています。
- 各個教会主義: 個々の教会が独立した自治権を持ち、外部の教会上部組織からの直接的な管理を受けません。
- 政教分離: 政治と宗教は分離されるべきであるという原則を強く主張します。
- 万人祭司: 牧師と信徒の間に身分上の上下関係はなく、全ての信徒が神の前で平等であると考えます。教会の運営は信徒総会によって民主的に行われます。
洗礼式
バプテスト教会における洗礼式は、信仰者が自らの信仰を公に表明する非常に重要な儀式です。前述の通り、幼児洗礼は行われず、本人の信仰告白に基づいて行われます。
洗礼の形式は上述の通り浸礼で、多くの場合、教会堂内に設けられた洗礼槽(今回のケース)や、教会によっては川や海などの自然の水を用いて行われることもあります。通常は、司式者(牧師など)が洗礼を受ける方を水の中に全身沈め、「父と子と聖霊の御名においてあなたにバプテスマ(洗礼)を授けます」といった言葉を述べますが、今回参加した洗礼式では洗礼される方のパートナーやバプテスト教徒である友人が実施していました。

礼拝・讃美歌
ここがおそらく一番特徴的な部分で、Austinという音楽の街ならではというか、普通にバンドが出てきて現代的な音楽に乗って讃美歌の斉唱が行われました。ピアノやパイプオルガンで行われるものは欧州に行った際によく見かけていましたが、それとあまりにかけ離れていて驚かされました。友人曰く、今回のようなバンドスタイルは相当レアみたいですが…曲調は普通に良い感じです。キリスト教徒だったらいい感じにトランスできそうです、昂っている方も見受けられました。

その後、万人祭司主義に基づき、普通のポロシャツジーパンのおじさんが説教を始めます。聖書主義ですので、聖書に書いてあることを一語一句読みながら、現代の事例や自分自身・信徒の事例の当てはめて一時間近く喋りまくります。最後にみんなでお祈りして終わり、という流れです。

所感
大学時代はキリスト教を含む西洋史専攻で、欧州の教会・聖堂巡りも相当してきましたが、アメリカのキリスト教がこうも違うのは全く知らなかったため本当に驚きました。なかなかある機会でもないので、誘ってくれた友人には感謝です、その後のラーメンをおごってあげたいくらいでした。子どもの友人関係でアメリカの家庭に触れる機会も多いですが、宗教面はよくわからなかったのでアメリカ人の解像度が一段階上がった気がします。